米国で農産物の貿易赤字が7月にさらに拡大した。トランプ米大統領は赤字縮小を目指しており、課題が浮き彫りとなった。

米農務省が8日に発表したデータによると、7月の農産物の輸出は輸入を49億7000万ドル(約7300億円)下回った。赤字幅は前年同月比9%拡大し、同月として過去最大を記録。1-7月の赤字は計336億ドルと、例のない水準となった。

 

農産物分野での今年の貿易赤字拡大の主因は輸入の急増だ。トランプ大統領が貿易赤字全般の縮小に向けて他国・地域に上乗せ関税を課す中でも、こうした展開となった。

農業分野は長年にわたり大幅な黒字を計上してきたが、トランプ氏の1期目以降、持続的な赤字に転じる流れが強まった。今年に入ってその傾向がさらに顕著になった形だ。

背景には、穀物や畜産物の生産拡大余地の限界、海外市場での競争激化、米国民の間で輸入品需要が高まっていることがある。また、世界最大の農産物輸入国である中国がブラジル産への依存度を高めるなど、トランプ氏の貿易戦争も影響している。さらに、米国では、国内産の作物をバイオ燃料に加工する動きが強まり、輸出余力が減少している。

米農務省によると、米国の農産物輸入額は1-7月に1320億ドル強と、前年同期比で約8%増加。一方、輸出は1.3%減の988億ドルにとどまった。

原題:US Farm Trade Deficit Widens to New Record as Imports Surge(抜粋)

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