資本主義に対する米国人の肯定的な見方が過去10年で大きく後退していることが、最新のギャラップ調査で明らかになった。米国の経済制度を巡る世論の分断が広がっている。

資本主義を好意的に捉えているとの回答は全体の54%にとどまり、2021年の60%から低下。調査が始まった10年以降で最も低い水準となった。

一方、社会主義への支持は全体で39%とほぼ横ばいにとどまっているものの、民主党支持者では3分の2が社会主義に好意的な見方を示し、10年の半数から大きく増加している。

ギャラップのアナリスト、ジェフ・ジョーンズ氏は、トランプ氏が初当選した16年の大統領選挙が転機だったと指摘する。「トランプ氏の影響もあるが、バーニー・サンダース氏や、より広く言えばポピュリズムの台頭も一因だろう」と述べた上で、「少なくとも民主党内では、社会主義的な考え方がほぼ主流になりつつある」と語った。

 

世代交代も意識の変化を促す大きな要因となっている。冷戦後に成人した世代は、年配の米国人のように社会主義に対する否定的なメッセージを受けて育っていないとジョーンズ氏は指摘。その影響が表れているとの見方を示した。共和党支持者の間では若年層も依然として社会主義に懐疑的ではあるものの、「年配の共和党支持者ほど否定的ではない」という。

資本主義への支持が後退する一方で、その構成要素に対する評価は依然として高い。中小企業には95%が好意的で、自由競争経済にも81%が支持を示している。一方、大企業への評価は大きく落ち込んでおり、好意的と答えたのはわずか37%で、過半数だった19年に比べて大幅に低下している。

世論調査は8月1日から20日にかけて、米国の成人1094人を対象に実施された。

原題:Support for Capitalism Drops to New Low in US, Gallup Says(抜粋)

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