(ブルームバーグ):米デルタ航空は「ベーシックエコノミー」という表示での航空券の販売を終了する。ベーシックエコノミーは格安航空会社の簡素なサービスへの対抗手段として、多くの大手航空会社が近年導入している。
デルタは15日、それぞれの座席クラスにおいて乗客の選択肢を増やすことを目的とした運賃カテゴリーの再編を発表した。選択肢には座席指定やフライト変更の可否、特典制度などがある。デルタによれば「デルタ・メイン」カテゴリー内のサブカテゴリーとして、引き続き低価格の航空券を提供する。
今回の変更は、デルタが昨年発表した消費者ニーズの変化やプレミアム商品への需要の高まりに対応する戦略の一環。10月1日以降に出発する便に適用される。一部の航空会社は収益性のより高い上位運賃カテゴリーに注力するようになっており、スピリット航空のような格安航空会社によって普及した低価格帯の運賃は、重視されなくなってきている。
ただデルタが導入する新たな運賃オプションは、「クラシック」や「エクストラ」といった表現で、顧客の混乱を招くリスクもある。
旅行業界向けのアドバイザリー会社、アトモスフィア・リサーチ・グループの創業者ヘンリー・ハーテベルト氏は「これを見た旅行者は『何これ?』という反応を示すだろう」と指摘。「複雑になり過ぎたため、顧客がより分かりやすい料金体系を持つ競合他社に流れるリスクがある」と述べた。
こうした商品の「細分化」は、デルタが10年以上にわたり築いてきたプレミアムキャリアとしてのイメージを損なう恐れがあるとも指摘した。
デルタはウェブサイトとアプリに「現代的なレイアウト」を採用し、各運賃カテゴリーの特徴を詳しく説明することで、顧客の混乱を回避するとしている。
原題:Delta Drops ‘Basic Economy’ Label in Rework of Fare Categories(抜粋)
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