(ブルームバーグ):15日の米株式市場で、米医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループが急落。一時18%安となった。メディケア(高齢者・障害者向け医療保険制度)に関連する不正行為の疑いで刑事捜査を受けているとの一部報道が嫌気された。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、事情に詳しい複数の匿名関係者の話として、米司法省が少なくとも昨年夏からユナイテッドヘルスの「メディケア・アドバンテージ」部門に関する捜査を進めていると報じた。
ユナイテッドヘルスは14日遅くの発表文で、司法省からは報道されているような捜査について通知は受けていないと説明。「当社のメディケア・アドバンテージ・プログラムの誠実性には自信を持っている」とした。
ユナイテッドヘルス株はこれで8営業日続落。13日には17%余り下げた。同社は同日、アンドルー・ウィッティ最高経営責任者(CEO)を突如交代させ、業績見通しを撤回した。今週に入り、同社の時価総額は1100億ドル余り消失している。
この日は競合する医療保険会社の株価も下落。エレバンス・ヘルスは一時4.5%、CVSヘルスは2.6%、ヒューマナは5.8%それぞれ下げた。
メディケアの選択肢の一つで、民間保険が提供するメディケア・アドバンテージの運用手法を巡ってはここ数年、疑念の目が向けられてきた。この制度では、より症状が重い患者の治療に対して高額な支払いが行われるが、そのレートは各社が提出する診断コードによって決まる。監査機関や公益通報者からは保険会社が患者の病状を誇張し、利益を増やしているとの指摘もあり、決着のため多額の支払いを行った企業もある。
原題:UnitedHealth Sinks as Report of Criminal Probe Adds to Woes (2)(抜粋)
(15日の株価の動きを加え、更新します)
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