ポスト・エヌビディアの台頭と「新たな競合」の出現
エヌビディアの強さの源泉であるGPUですが、その設計や思想自体が時代遅れになることについて、島津氏は新たな半導体アーキテクチャに注目しています。
「現在のGPUはノイマン型と呼ばれる設計に基づいていますが、新興企業の多くはデータフロー型という新しいアーキテクチャを採用しています」
例えば、元Google社員が立ち上げたAI企業Grok社や、AIに特化した半導体チップの開発を行うCerebras Systems社など、これらの企業が「ポスト・エヌビディア」として今後AI市場に台頭するポテンシャルがあると島津氏は見ています。
ロボット、自動運転…次のAI市場を作る
こうした課題に直面するエヌビディアですが、島津氏はその将来について新たな成長の機会はロボット市場にあると分析します。

「エヌビディアの強みは、GPUを売るための新しい市場を作り出す能力です」
具体的例として、ヒューマノイドロボットや自動運転車といった分野への進出を挙げ、
「デジタルのAIから、身の回りのロボットや車にAIとGPUをどう組み込んでいくか。それが今後のエヌビディアの勝負どころになる」
と予想します。
ただし、これらの新市場の成長には時間がかかる可能性もあり、エヌビディアの未来は、AIチップ市場での覇権維持と新市場開拓の成否にかかっています。技術革新のスピードが速い半導体業界で、エヌビディアがいかに進化を遂げていくのか。今後も目が離せません。