英国のインフレ率は9月、食料品価格の下落を受けて予想に反して横ばいとなった。これにより、市場ではイングランド銀行(英中央銀行)が年内に利下げに踏み切るとの見方が強まった。

英政府統計局(ONS)が22日に発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.8%上昇。8月と同じ上昇率だった。エコノミストや英中銀が予想していた4%を下回った。ブルームバーグの調査で、インフレ率が横ばいになると予測していたのは1人だけだった。

ONSによれば、自動車燃料価格による上昇圧力が、音楽ライブ料金下落や食料品値下がりによって打ち消された。食料品価格の下落は2024年5月以来。国内の物価圧力を示す指標として英中銀が注視するサービス価格のインフレ率は、前月と同じ4.7%だった。

景気や労働市場の低調なデータが出ていた中で、今回の物価統計は英中銀が抱くインフレへの懸念を一段と和らげる可能性があり、12月の利下げへの期待を維持する内容となった。

市場関係者はなお11月の利下げの可能性は低いとみているものの、短期金融市場動向は12月までの0.25ポイント利下げの確率を約70%と示唆している。インフレ統計発表前は、年末までの利下げを織り込む割合は3分の1程度だった。

インフレ統計を受け、ポンドは低迷。対ドルでは0.4%安の1ポンド=1.3319ドルとなった。英2年国債利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、3.75%と24年8月以来の低水準を記録した。

原題:Steady UK Inflation Fuels Rush of Bets on December Rate Cut (1)

UK Two-Year Bond Yields Slide to 14-Month Low in Bet on BOE Cuts

(抜粋)

(相場を更新します)

--取材協力:Joel Rinneby、市倉はるみ、Mark A Evans.

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