米アマゾン・ドット・コムの共同創業者ジェフ・ベゾス氏が出資するスタートアップが、米国産の小型電動ピックアップトラックを発売する計画だ。価格は連邦補助金込みで2万ドル(約287万円)を下回り、米消費者の愛国心と懐具合の両方に訴えかける。

価格の高さなどで電気自動車(EV)需要が鈍化する中で、このスタートアップ、スレート・オートの最低限の装備に絞った2人乗りピックアップは消費者の目を引くよう設計された。調査会社コックス・オートモーティブによれば、3月の米国内のEV平均価格は5万9205ドルと、ガソリン車を25%上回った。

スレートの広報担当者、ジェフ・ジャブランスキー氏が25日に明らかにしたところでは、ミシガン州デトロイト郊外のトロイに本社を構える同社の従業員数は約400人。

ベースモデルにはパワーウインドーなど利便機能は搭載されておらず、最長航続距離は約240マイル(約386キロメートル)。韓国経済新聞によると、バッテリーは韓国のSKオンが供給する。スレートによれば、組み立てはインディアナ州の工場で行われ、最初の車両は早ければ2026年終盤に納車される見込み。ピックアップをスポーツタイプ多目的車(SUV)仕様にするためのキットも別売りされるという。

スレートのクリス・バーマン最高経営責任者(CEO)は24日夜のイベントで、「『手頃な価格』の定義は崩れた。約束されながら長らく実現しなかった手頃な価格の車両をわれわれは製造する」と語った。

ただ、この低価格はトランプ大統領が廃止を目指しているEV優遇措置込みで実現する。スレートの広報担当者は、連邦補助金がなくなっても同社のピックアップにはなお競争力があり、手頃な価格にとどまると述べたが、補助金がない場合の具体的な価格は示さなかった。

原題:Bezos-Backed Startup Launches Cheap, US-Made Electric Pickup(抜粋)

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