(ブルームバーグ):トランプ米大統領と共和党が年間所得100万ドル(約1億4000万円)以上のミリオネアに対し、所得税の税率を引き上げた場合、企業の最高経営責任者(CEO)や医師、弁護士、ウォール街のバンカーら高額所得の専門職層が最も影響を受けると見られる。一方で所得が10億ドルを超える富豪のビリオネアは、影響を逃れる可能性が高い。
ブルームバーグ・ニュースが15日に報じたところによると、共和党指導部はミリオネアを対象に新たな税率40%を設定することを真剣に検討している。現行の最高税率は、年間課税所得が62万6350ドルを超える単身者に適用され、税率は37%となっている。
一方で最富裕層のビリオネアは主には配当金や長期保有株の売却益といった所得に依存しており、これらの最高税率はずっと低いため、税制変更による影響は限定的と考えられる。米内国歳入庁(IRS)のデータによれば、最富裕層1500世帯の所得の3分の2をこうした利益から得ている。
この増税案は2017年成立の減税法延長と、新たな税制優遇の財源を確保するための一案。
元ブリッジウォーター・アソシエーツのCEO、デーブ・マコーミック上院議員(共和)は「実現しないと思う」と話す。「歳出を減らすのが先決であり、増税で解決するのはどうかと思う」と述べた。税制の専門家らも、共和党が富裕層をターゲットとしていることは「奇妙だ」と驚きを隠せない。
提案されている40%の税率が適用されるのは普通所得であって、対象外の配当や長期資本利得による所得には従来通り最高税率23.8%が適用される。
超富裕層はまた、評価益を担保に借り入れるなど高度な戦略を用いて税負担を軽くすることが可能だ。その他の納税者は税率引き上げ前に所得を前倒しし、控除を後回しにするなど「節税の定石」が有効だと、バーンスタイン・プライベート・ウェルス・マネジメントのロバート・ディーツ氏は指摘する。
医師と弁護士の夫婦といった現役世代の高額所得カップルにとって、税負担の増加は手痛い額になるとサックス・ウェルス・アドバイザーズのウィリアム・コナー氏は指摘する。「わずか3%の違いといっても、所得が高いだけにその打撃はかなり大きい」と述べた。
原題:Millionaire Tax Would Hit CEOs, Bankers While Billionaires Slide(抜粋)
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