(ブルームバーグ):14日の米株式市場で、肥満症治療薬を開発するバイオテクノロジー企業数社の株価が上昇。米ファイザーが注目されていた新薬の開発を中止したことを受け、同社のディールメーキングが活発化するとの見方が投資家の間で広がった。
バイキング・セラピューティクスは11%近く上昇し、ストラクチャー・セラピューティクスは約19%高、ターンズ・ファーマシューティカルズは7.9%高で引けた。一方、メッツェラは30%近く値上がりした。
ガベリ・ファンズのポートフォリオマネジャー、ジェフ・ジョナス氏は、「ファイザーがバイキングないし他の1社を買収するのではないかとの見方がこの日の株価急伸の理由だと考えている」と語った。
ファイザーは、治験参加者の1人が薬物性肝障害を引き起こした可能性があるとして、肥満症薬「ダヌグリプロン」の開発を中止すると発表した。同社は、肥満症薬市場でノボ・ノルディスクやイーライリリーとの競合を目指してきたが、今回の発表以前から既に後れを取っていた。
ダヌグリプロンの開発中止で、ファイザーの製品ポートフォリオに空白が生じる可能性がある。一方、経営陣は最大150億ドル(約2兆1500億円)の資金を将来のディールに投入できるとしている。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、ジョン・マーフィー、マイケル・シャー両氏はファイザーについて、「社外の技術革新に頼ることもあり得る。別のGLP-1受容体作動薬メーカーの買収は戦略的に理にかなっているかもしれない」と述べ、バイキング、ストラクチャー、ターンズなどが選択肢だと指摘した。
原題:Obesity Drugmakers Rise on M&A Hopes After Pfizer Setback (1)(抜粋)
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