米連邦公開市場委員会(FOMC)は年内に2回、9月と12月に金利を引き下げるだろうとバンク・オブ・アメリカ(BofA)のエコノミストが予想した。8月の弱い雇用統計を受け、年内に利下げはないとの従来の予測を撤回した。

BofAのエコノミスト、アディティア・バーベ氏は雇用統計について、「供給面だけでなく、労働需要の悪化を示すいっそう明確な証拠だ」とリポートで指摘。同氏らは来年も6月から3回の0.25ポイント利下げがあり、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは現行の4.25-4.5%から3-3.25%に低下すると見込んだ。

バーベ氏の予測によると、個人消費支出(PCE)コア価格指数で見た米国のインフレ率は8月に3%に達し、年末まで上昇を続ける公算が大きい。このため、10月の利下げは見送られるだろうという。

この新予測は、市場や米銀他行の大半の見方に一致する。5日発表された雇用統計が市場の予想を下回る内容だったことが明らかになると、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場は9月の利下げを完全に織り込み、10月と12月の年内に予定される最後の2会合についても利下げ確率が上昇した。

ウォール街の主要銀行の中で、これまでに9月の利下げを想定していなかったのはBofAだけだった。

BofAは正式には、来年下期までFOMCは行動を取らず、そこから1ポイントの利下げに動くとの予想を4月以降維持していた。だが先月、同月22日にワイオミング州ジャクソンホールで開催された年次シンポジウムでパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が行った発言に基づき、「リスクは明らかに、(9月の)利下げの方向に大きく傾いた」と同行エコノミストは認めていた。

原題:Bank of America Sees Two Fed Rate Cuts This Year vs None Before(抜粋)

--取材協力:Edward Bolingbroke.

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