(ブルームバーグ):ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏率いる米厚生省の慢性疾患政策を担当するホワイトハウスの特別顧問、カリー・ミーンズ氏に激しいブーイングと怒号、嘲笑が浴びせられた。
ミーンズ氏は2日、首都ワシントンでポリティコが主催したヘルスケア会議で登壇。ケネディ氏の肝いりで前日に始まった厚生省の大型人員削減について、その正当性を擁護した。1万人の人員削減には医薬品審査やたばこ、科学研究を監督する幹部職も含まれた。
「伝え聞いた話を並べ立てた衝撃的なニュースはいくらでも作れるだろう。基本的にボビー(RFKジュニア氏)が行ったのは、完全に破綻した厚生省を引き継いだだけだ」と、ミーンズ氏は聴衆からの異例の反発に強く反論した。
事情に詳しい複数の関係者によれば、1日に解雇された数千人の厚生省職員には性感染症や環境衛生、世界保健、先天性欠損症などを担当する部署が含まれる。同省の通信や連邦記録のチームも大部分がレイオフされた。
ミーンズ氏は有権者がトランプ氏とケネディ氏を支持したという事実は、連邦政府の保健機関にうんざりし、その大胆な改革を求めたことを意味すると主張。
また新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を作り出したのは国立衛生研究所(NIH)だとも非難した。米食品医薬品局(FDA)の審査プロセスはコストがかかり過ぎ、十分に革新的な医療につながっていないと述べたほか、公的医療保険を管轄するメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は米国医師会(AMA)の言いなりになっているとも主張した。
ミーンズ氏はとりわけ、米食品医薬品局(FDA)の幹部ピーター・マークス氏個人を攻撃。マークス氏が「専門家の意見に耳を貸さず、製薬業界に味方した」との持論をミーンズ氏は展開した。マークス氏の辞任表明は先日、ワクチンやバイオテクノロジーに関連した株の大幅安を引き起こした。
パネルディスカッションではオーキンクロス下院議員(民主)がミーンズ氏に反論。下院エネルギー・商業委員会のメンバーであるオーキンクロス議員は、はしかワクチンの開発や嚢胞性線維症の治療につながった科学の進歩や、体外受精によって子どもに恵まれるようになった技術革新を指摘し「科学はわれわれ米国人の根幹にある価値観だ。それなのに彼らは自分たちこそ慢性疾患を問題視しているような言い方をしながら、それを口実にわれわれが積み上げてきた科学の功績を陰謀論やいんちき医療で破壊しようとしている」と述べた。
原題:White House Official Booed at Conference for Defending HHS Cuts(抜粋)
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