(ブルームバーグ):トランプ米大統領の過激な通商政策やスタグフレーション(景気低迷の中での物価高)懸念に振り回された金融市場は、ほとんど安心材料を得ないまま1-3月(第1四半期)を終えつつある。投資家はリスク回避に向かっている。
31日のアジア市場では株価が急落し、MSCIオールカントリー・ワールド指数のパフォーマンスは四半期ベースで、2023年7-9月期以降で最悪となる勢い。安全資産を求める動きの中で、ブルームバーグがまとめた米国債の指標は年初来で2.6%上昇、金は最高値更新を続ける。
拡大する世界的な貿易戦争と米経済に急減速の可能性が高まる中、資産運用会社はリスクを縮小したり、ポートフォリオの再調整を行なっている。エコノミスト、エド・ヤルデニ氏は、スタグフレーションに陥る確率を45%に引き上げ、リセッション(景気後退)の可能性を警告するとともに、米国株がさらに深刻な調整に直面するシナリオも同様にみている。
トランプ大統領は4月2日に発表予定のいわゆる「相互関税」について、「全ての国々」を対象に開始を計画していると述べ、当初は範囲を限定するのではないかとの観測に冷水を浴びせた。先週発表の米消費者センチメントは大幅に落ち込んだ。
ヤルデニ氏はリポートで、「トランプ2.0の関税政策による影響は、以前の強気な見方を弱めるだろう」と述べ、「企業経営者から消費者、投資家まであらゆる人の米国経済への信頼が損なわれている」と指摘した。
ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは通商規制がモメンタムに打撃を与えるとの見方から、欧米の金融当局は今年3回の利下げを実施すると予想している。
原題:Global Markets Reel in Quarter Marred by Trade War, Growth Risk
(抜粋)
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