ニュージーランドの電力供給の4分の1を担う電力会社4社から成るコンソーシアムが、グーグルの親会社である米アルファベット主導の人工知能(AI)活用プロジェクトに参画する。異常気象や地震による障害に対する送電網の耐性を強化することが目的だ。

アルファベットの「X」部門が主導するプロジェクト「タペストリー」に参画するのは、ノースパワー、オリオン・グループ、ユニソン・ネットワークス、WELネットワークスの4社。

タペストリーのゼネラルマネジャーであるペイジ・クラハン氏によれば、同コンソーシアムは、インフラネットワークに関する情報を共有し、5年前にタペストリーのAIツールを初めて導入した国内最大手ベクターが訓練したAIモデルを基盤として構築を進める。

世界各地の電力網は、データセンターからの電力需要の急増、クリーンだが不安定な再生可能エネルギーの導入拡大、寒波や熱波といった異常気象によって負荷が強まっている。クラハン氏によれば、タペストリーはAIを活用し、停電を引き起こし得る問題を迅速かつ低コストで特定することを目指しているという。

タペストリーがニュージーランドを事業拡大先として選んだ理由は、同国の送電網が山火事、洪水、地震活動といった課題に直面しているためだ。

同プロジェクトのAIツール「GridAware」は、ストリートビューや衛星画像、ドローン画像を活用し、電力インフラのグーグルマップのようなものを構築する。

ブラジルでは、データセンター増設可否の判断をする前に、タペストリーのAIソフトウエアを使用し電力網の評価を実施すると、リオデジャネイロ副市長が最近明らかにした。

原題:Alphabet-Led AI Project to Shield New Zealand Grid From Outages(抜粋)

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