米国では11月下旬の感謝祭休暇期間に航空便を利用する旅行者数が減少する見通しだ。クリスマスの需要も不安定な状況にあり、過去最長となった米政府閉鎖と経済不安が、旅行を計画していた消費者心理を冷え込ませている。

例年は繁忙期となる感謝祭週の航空需要は、予算審議の行き詰まりが長引く中で急減速。航空データ分析会社シリウムが17日に公表したデータによると、現時点で予約は前年同期比3.3%減となっている。10月末時点で2%増だったのとは対照的だ。

航空需要は今年に入り経済不安から一時落ち込んでいたが、回復基調にあった。しかし、その勢いが再び失われつつある。クリスマス旅行の予約も予想を下回っており、シリウムによれば前年同期比で0.4%減少している。

シリウムがデータを収集したのは、43日間に及んだ政府閉鎖の終了から2日後の11月14日で、約50万件の予約情報が反映されている。

同社はこのデータについて、「航空会社自体ではなく、オンライン旅行会社からのサンプル」に基づくもので、トレンドを示していると説明した。

米連邦航空局(FAA)が安全確保のため航空会社に運航便の削減を命じたことを受け、この1週間で計1万1000便余りが欠航した。無給で勤務を続けた航空管制官の疲労も重なり、遅延も増えた。

デルタ航空のエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は、米政府閉鎖による業績への影響は大きいと指摘。顧客は感謝祭期間に足止めされることを懸念しており、ホリデーシーズンの予約ペースは鈍化していると話していた。

メリウス・リサーチのアナリスト、コナー・カニンガム氏によると、米政府閉鎖に伴う混乱で、航空会社の営業利益(売上高から費用を差し引いた額)は計約4億ドル(約621億円)目減りすると見込まれている。

原題:US Airlines May See Weaker Holiday Traffic Amid Shutdown Fallout(抜粋)

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