(ブルームバーグ):独サッカーのシャルケ04が、ブンデスリーガ(ドイツ1部)昇格を条件に利率が上乗せされる仕組みを含むプライベートプレースメント(私募債)で、7500万ユーロ(約136億円)を調達する。
ブルームバーグが確認した条件概要書によると、この債券は2030年11月に償還予定で、年6.5%のクーポン(利率)が投資家に支払われる。また、シャルケ04が現在の2部から昇格した場合、年1.5%のブンデスリーガ・ボーナスが追加される仕組みになっている。資金調達はメッツラー銀行が主幹事を務め、20日にオーダーブックを締め切る予定。
シャルケ04の担当者のコメントは現時点で得られていない。

ドイツのサッカークラブは一部の例外を除き、チケット収入や放映権料、スポンサー契約以外の新たな資金源の開拓に苦戦している。所有権ルールで株式の支配権を地元の実業家やファンの手に維持するケースが多いため、クラブは資金調達面で制約を受けている。これに対し、イングランド・プレミアリーグのクラブの大半は現在、海外投資家の所有下にある。
欧州サッカー連盟(UEFA)が計画していた救済基金の創設を取りやめたことで、クラブは公の市場での資金調達の必要に迫られ、一段と高い借り入れコストに直面している。この基金構想は新型コロナウイルス禍の時期に立案されたもので、実現していれば最大70億ドル(約1兆1000億円)を単独調達の場合よりも低い金利で借り入れることが可能になるはずだった。
シャルケ04によると、同クラブの会員数は20万人に上り、ドイツで3番目に多い。シャルケ04は多額の債務を抱えて経営難に陥り、20年には破産のリスクに直面した。その後21年に2部へ降格したが、今季は開幕12試合のうち9試合で勝利を収め、現在は2部で2位につけている。
原題:German Football Team Schalke Raising Debt With a Promotion Bonus(抜粋)
--取材協力:David Hellier.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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