(ブルームバーグ):中国株の値上がりが世界的に目立っている。人工知能(AI)分野で中国の躍進が示され、開発が進むとの期待から国内の個人投資家から資金が流入している。
本土の株式投資信託が1-2月に集めた資金は564億元(約1兆1550億円)と、前年同期の5倍、2021年以来最大となった。また、こうした投信設定数は前年同期比76%増えた。モーニングスター・ダイレクトのデータに基づきブルームバーグが集計した。
資金流入の急増は、テクノロジー分野における中国の進歩が、悪化するデフレ圧力や米国との貿易戦争の激化によるリスクに対抗し得るという投資家の確信の高まりを裏付けている。
また、11日に閉幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)からの強気なメッセージは、政府が今年5%前後の成長目標達成に向けた追加的な刺激策を発表する準備ができていることを示唆する安心材料となった。

スタートアップDeepSeek(ディープシーク)による国産AIやその他先進技術への強い期待を追い風に、中国株は今年に入って世界をリードする上昇を見せている。
こうした株高はUBSグループやモルガン・スタンレー、JPモルガン・チェースを含む世界的な資産運用大手による中国資産の再評価を促すことにもなった。
上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板」に上場している企業から成る科創板指数は1-2月に9%余り上昇。香港に上場している中国テクノロジー企業で構成されるハンセンテック指数は25%近く急伸した。
投資家のリスク志向が強まる中、最近投入された債券重視のファンドの人気は低下。オールスプリング・グローバル・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ゲーリー・タン氏は「本土長期債の利回り底打ちと、テクノロジーセクターの長期見通しに対する強い信頼感に後押しされた中国株への楽観論が相まって生じた」動きだと指摘した。
原題:China’s Retail Investors Pile Into New Funds as Stocks Rally(抜粋)
--取材協力:Mengchen Lu、Chongjing Li.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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