米フォード・モーターは5日、2025年通期は20億ドル(約3040億円)以上の減益となる可能性があるとの見通しを示した。自動車価格下落と高額の新型モデル発売費用を理由に挙げたが、さらにトランプ政権の関税導入のリスクや電気自動車(EV)需要の先行きの暗さも影を落としている。

フォードは25年通期のEBIT(利払い・税引き前利益)を70億-85億ドルと予想。24年は102億ドルだった。

2月6日に最高財務責任者(CFO)に就任するシェリー・ハウス氏は記者団に対し、業界全体の自動車価格の約2%下落が見込まれていることや新型のスポーツ型多目的車(SUV)「リンカーン・ナビゲーター」と「エクスペディション」の発売費用が響き、1-3月(第1四半期)の利益は吹き飛ぶと述べた。

その上で同氏は、フォードが示した業績見通しにはトランプ政権の政策変更による潜在的影響は含まれていないと説明。「メキシコとカナダに25%の関税が課せられれば、われわれの業界に大きな影響が及ぶことは疑いない。しかし、われわれはトランプ政権が米国の自動車業界を支援する方針だと信じている」と語った。

5日の米株式市場時間外取引でフォードは下落。ニューヨーク時間午後5時53分(日本時間6日午前7時53分)時点で5.2%安となった。

フォードのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)はEV戦略の抜本的見直しを進め、EV事業の赤字に歯止めをかけるとともに、利益を圧迫している品質保証関連費用を削減しようとしているが、今回の業績見通しは同CEOが直面する難題を浮き彫りにする。さらにトランプ政権下では関税賦課に加え、プラグイン自動車に対する支援も廃止される恐れがある。

ファーリー氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、メキシコとカナダからの輸入品に25%の関税が賦課されれば自動車業界は「巨額」の損失を被り、人員削減を迫られるだろうと発言。北米に多くの製造拠点を構えるフォードなどの企業を不当に罰することのないよう、より「理にかなった」関税アプローチの採用をトランプ政権に呼びかけた。

ファーリー氏は1回の充電での走行距離を伸ばした、より手頃な価格のEVモデル生産を目指しているが、こうした新モデルの投入は27年以降になる見込みだ。同氏はEV事業が黒字化する時期について、ベーシックモデル価格が3万ドル未満になるプラグインの新モデルが発売される2年後以降になると示唆した。

一方、24年10-12月(第4四半期)の調整後1株利益は39セントと、アナリスト予想の平均(32セント)を上回った。

原題:Ford Sees Sharp Profit Drop as Trump Tariff, EV Threats Loom (2)(抜粋)

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