富国生命保険の森実潤也財務企画部長は、日本銀行の利上げ継続姿勢を受けて国内金利の先高観が強まっていることで、超長期債の本格的な積み増しが先送りになっていることを明らかにした。

森実氏は5日のインタビューで、2025年度は10年金利が1.6%程度、20年は2.3-2.4%まで上昇し得るとの見通しを示した。現状から一段の上昇で、超長期債を本格的に積み増す金利水準が「逃げ水のように遠のいている」と語った。日銀は1月の政策金利0.5%への上げ後も利上げ継続の構えで、植田和男総裁は中立金利が市場想定の1%より高い可能性を示唆、市場金利の上昇圧力が増している。

植田日銀総裁(1月24日、本店)

富国生命は昨秋、24年度下期に20年金利が2%に接近すれば超長期債を積極的に積み増す意向を示していた。現状の金利はこの水準に達したが、先行き一段高が見えてきたため積み増しを控えている。国債保有残高は全体として150億円減る見通しだ。森実氏は「金利に対する目線が半年前に比べると上がっている」と述べた。

 

日銀の利上げは25年度に2回を想定している。5日発表の24年12月の毎月勤労統計で実質賃金は0.6%増と2カ月連続で前年を上回った。森実氏は、賃金上昇の環境は着実に整ってきており、消費にも安定感が出てくると指摘。利上げを継続する上で「日銀が気にしているところはクリアできる」との見方を示した。

米国は25年度に2回の利下げを想定。内外金利差縮小により為替相場は1ドル=140-150円と円高を見込む。為替ヘッジ付き外債はヘッジコストが高止まりしているため、25年度も前年度に続き残高ゼロを維持する可能性があるという。為替オープンの外債は「償還見合いで多少買うことにはなる」としている。

日本銀行の田村直樹審議委員は6日の講演で、「2025年度後半には少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが物価上振れリスクを抑え、物価安定の目標を持続的・安定的に達成する上で必要だ」と述べた。日銀の継続的な利上げに対する警戒感から、債券市場では上昇していた長期国債先物3月物が一時下落に転じる場面があった。

(末尾に田村日銀審議委員の発言を追加して更新します)

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