欧州航空機メーカーのエアバスは、欧州宇宙・衛星企業を新たに設立するため、ゴールドマン・サックス・グループを助言役に起用した。事情に詳しい関係者が明らかにした。資産家イーロン・マスク氏率いる米宇宙開発企業スペースXに対抗したい考えだ。

エアバスは宇宙・衛星事業「プロジェクト・ブロモ」の開始に向けフランスの航空宇宙企業タレスおよびイタリアのレオナルドと協議しているが、話し合いはまだ予備段階で、事業の全容は決まっていない。協議の非公開を理由に関係者が匿名で語った。

関係者の一部によると、レオナルドはこの計画を巡りバンク・オブ・アメリカ(BofA)と契約。タレスも複数のアドバイザーと協議しているという。両社は既に衛星・宇宙通信関連製品で合弁事業を手がけている。

企業の合併・買収(M&A)を専門とする大手アドバイザーの起用は、長年議論されてきた合弁事業計画を正式なものにする具体的な一歩。関係者によれば、コストや複雑性、規制上の障害、独占禁止法を巡る問題のほか、さまざまな民間および軍事契約締結の可能性について検討が進められている。

エアバスとレオナルド、ゴールドマン、BofAの担当者はいずれもコメントを控えた。タレスは、アドバイザーについて言及しなかったが、初期段階の協議が行われたとの説明を繰り返した。

スペースXは業界屈指のロケット打ち上げ企業としての地位を築き、米国の航空宇宙局(NASA)や国防総省、商業パートナー向けに人工衛星や貨物、人を宇宙に運ぶ。また、同社のスターリンク部門は低軌道で最大規模かつ最先端の衛星通信網を運用している。

原題:Airbus Hires Goldman for European Space Tie-Up to Rival Musk(抜粋)

--取材協力:Eyk Henning.

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