11月5日、米連邦最高裁は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税措置を巡り、政権側と違憲を主張する中小企業(原告)の双方による口頭弁論を開いた。

IEEPAに基づく主な関税には、世界各国に課された「相互関税」、及び中国やメキシコなどに対する「フェンタニル関税」がある。一方、通商法232条に基づく自動車や鉄鋼等に対する関税は本訴訟の対象ではない。

口頭弁論の主な内容は?

最高裁判事9人のうち、トランプ政権や共和党の考えに近い保守派は6人を占めており、トランプ関税に肯定的な判決を示すとの見方があった。

しかし、一部の保守派判事はトランプ関税の妥当性に消極的な姿勢を示したため、これまでの一審・二審と同様、同関税が違憲と判断される可能性が高まった。

保守派のロバーツ長官やゴーサッチ判事は「関税は議会の権限」と指摘した。加えて、IEEPAは輸入に対する制限を認めているものの、これには広範な関税が含まれないとの見方を示した。

他方、リベラル派の3人の判事もトランプ関税の妥当性に疑問を投げかけており、9人中6人が判決において政権の主張を否定する可能性がある。賭けサイトPolymarketでは、「最高裁がトランプ関税を支持する確率」が11月5日の38%から翌6日には25%へと低下した。