客室稼働率は3ヵ月連続でコロナ禍前超え

2024年12月の客室稼働率は全体で59.9%(11月:同66.0%)、2019年同月差は1.2%(11月:同0.4%)と3ヵ月連続でコロナ禍前を上回った。宿泊施設タイプ別客室稼働率をみると、旅館は34.3%、2019年同月差▲0.7%(11月:同0.0%)、リゾートホテルは55.9%、2019年同月差3.3%(11月:同1.0%)、ビジネスホテルは73.3%、2019年同月差1.7%(11月:同0.7%)、シティホテルは73.3%、2019年同月差▲2.7%(11月:同▲3.7%)、簡易宿所は29.0%、2019年同月差▲1.4%(11月:同▲4.1%)であった。旅館、シティホテル、簡易宿所で2019年同月差がマイナスとなったが、リゾートホテル、ビジネスホテルではプラスとなった。前年比では旅館のみが▲0.4%と、人手不足の影響もあり稼働率の向上が難しい状況が続いている。

三大都市圏は地方より外国人宿泊者数の回復が速い

速報より1ヵ月遅れて公表される都道府県別の延べ宿泊者数をみると、11月は東京都が2019年比45.8%、栃木県が同40.0%、石川県が同39.7%、兵庫県が同27.2%、大阪府が同26.4%、長野県が同21.5%、北海道が同21.3%、福岡が同19.1%、広島県が同15.1%と回復している。一方、それ以外の地方は、全国の2019年比15.0%を下回り、マイナスや一桁の伸びにとどまる地域もあり、回復に差がみられる。

11月の外国人延べ宿泊者数は2019年比63.2%と、日本人延べ宿泊者数の同4.3%と比較して高く、全体を押し上げた。都道府県別には、東京都は2019年比113.0%、大阪府は同62.9%と大幅に増加し、三大都市圏全体では同71.0%の高い伸びとなった。地方でも2019年比47.7%と三大都市圏には及ばないものも、着実に回復している。地方は外国人の旅行需要を獲得できているが、三大都市圏ではさらに大きな需要を得ている。今後も大都市へ外国人宿泊者が集中する傾向が続くとみられ、三大都市圏で増加幅が大きい傾向が続きそうだ。