中国人延べ宿泊者数が初めてコロナ禍前超え
外国人延べ宿泊者数のうち、国別が分かる従業者数10人以上の施設でみると、2024年12月の中国人延べ宿泊者数は2019年比5.7%(11月:同▲13.2%)とコロナ禍以降初めてプラスとなった。中国人旅行者の宿泊日数が増加したことで、延べ宿泊者数は訪日外客数(12月:2019年比▲14.9%)を上回る速度で回復している。中国人の訪日数は、11月の2019年比▲27.3%から12月の同▲14.9%へと、大幅にマイナス幅が縮小した。円安の進行に加え、日中外相会談の開催やビザ緩和の発表など日中関係に改善の兆しが見られたことが旅行者の心理にプラスに働いた可能性が考えられる。

中国人延べ宿泊者数は引き続き緩やかな回復を続ける公算が大きい。春ごろに予定されるビザ緩和により回復速度の加速も期待される。ただし、中国の消費が弱い動きとなっていることや、トランプ米大統領の政策次第で景気が大きく落ち込む可能性があることなど、下振れリスクは残存している。
日本人の旅行需要は引き続き、物価高の向かい風を受けて力強い回復は見込めない。一方、外国人の旅行需要はコロナ禍前に比べて為替レートが円安の水準にあることが追い風となって、好調が続くだろう。インバウンド需要の回復が続くことで、全体の延べ宿泊者数は増加を続けると考えられる。
(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究員 安田 拓斗)