【HAGISO】
・事業概要
「株式会社HAGISO」は、東京都台東区谷中地域において、空き家を活用した分散型ホテル「hanare」の運営を行っている。ホテルのレセプションと寝室が別の建物に存在し、お風呂や食事などは地域の銭湯や飲食店を使ってもらうことで、地域の活性化にも繋がっている。その他にもHAGISOでは飲食店やアイスクリーム屋さんなど複数の事業を谷中地域で展開している。

・空き家の掘り起こしへの視点
「NIPPONIA」では、地域住民や自治体と協力し、古民家の歴史的価値を再発見して掘り起こしているところに特徴がある。その地域でまちづくり開発会社を設置することで地域に根差した組織による事業を行うことが出来る。地域住民とのワークショップなどを行うことで、空き家活用の機運を高めることを可能としている。
【神山町】
・事業概要
徳島県神山町は、過疎化が進む中、地方創生の成功事例として広く知られている。神山町では、IT企業やクリエイティブな職業に従事する人々を積極的に誘致し、空き家をオフィスや住居に改修して提供する取り組みを行っている。後述する様々なプロジェクトを通じて空き家が有効に活用される仕組みが整備されており、空き家が移住者や企業のサテライトオフィスとして利用されるなど、町の経済活性化に大きく貢献している。地域の空き家を有効活用することで、神山町は新しい産業を誘致し、地域の魅力を高めている。また、こうした取り組みを通じて、外部からの移住者が増加し、町全体の人口減少が緩やかに改善されつつある。神山町の取り組みは、空き家の再利用と地域の新たな価値創造を同時に実現している。
・空き家の掘り起こしへの視点
神山町では、空き家の掘り起こしと有効活用を進めるために、多面的な取り組みが行われている。まず、「民家改修プロジェクト」においては、町内に点在する空き家を適切に改修し、伝統的な民家を再生することを目指している。地域の職人と協力し、100年以上使える社会資本としての価値を持たせる取り組みである。また、「お家長生きプロジェクト」では、空き家になる前の段階で所有者に登録してもらう仕組みを整えており、将来的に空き家となった場合には移住交流支援センターが入居者探しをサポートすることで、空き家の発生を未然に防いでいる。
さらに、NPO法人グリーンバレーが運営する移住交流支援センターを通じて、空き家や空き地の情報提供や、移住希望者へのサポートを行っており、空き家の情報収集や活用が円滑に進められる体制を整えている。こうした取り組みを通じ、神山町では地域資源である空き家を効果的に掘り起こし、地域の活性化に貢献している。