長期的な資産形成を目指す投資家にとって魅力的な選択肢に

これまでは実質的に機関投資家や富裕層に限られていたプライベートアセットへの投資が、個人投資家にも投資信託を通じて行いやすくなった。成長性の高いスタートアップ企業やユニコーン企業などに投資する機会が広がることは、長期的な資産形成を目指す投資家にとって魅力的な選択肢となり得る。

プライベートアセットへの投資は上場株式と比べて安定的なリターンが期待できるといった魅力があるが、内容、リスクを自身でよく吟味して決定して投資を行いたい。流動性の低さといったデメリットもあるが、これを認識した上で長期投資を行うことは資産形成を促すことにつながり得る。

今後、個人投資家向けのプライベートアセット市場が拡大し、資産形成手段の選択肢が増える一方で、投資教育や情報提供が重要な課題となるだろう。こうした動きは個人投資家が従来型の投資枠を超えた新たな機会を得る転換点となり得る。

(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 金融研究部 准主任研究員・ESG推進室兼任 原田 哲志)