トランプ米大統領は、自身の政権に関するCBSニュースの報道を巡り、同局の親会社パラマウント・スカイダンスのオーナーに対する不満を示した。米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)争奪戦において同氏のスタンスを示唆する発言となる。

パラマウントはWBD買収を巡り、Netflixによる友好的な買収案に対抗するため、トランプ氏との蜜月ぶりを強調してきた。パラマウントのデービッド・エリソン最高経営責任者(CEO)は、父親で米オラクル創業者のラリー・エリソン氏がトランプ氏の長年の支援者であることなどを背景に、規制当局の審査が円滑に進むとアピールしている。

しかし、トランプ氏は16日、自身を巡るCBSの報道に改めて不満を表明。SNSへの投稿で「CBSの新しいオーナーと私が親しいと思っている人々へ。いわゆる『買収』以降、報道番組『60ミニッツ』は私に対し、これまで以上にひどい扱いをしている。これが友人だというのなら敵を見てみたいものだ」と皮肉った。

この投稿の直後、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏率いるプライベートエクイティー(PE)投資会社アフィニティ・パートナーズがWBD買収合戦からの撤退を表明した。

事情に詳しい複数の関係者によると、WBDはパラマウントによる買収提案を拒否する方向だ。

トランプ氏による承認は異例ながら重要なハードルになる可能性があるものの、同氏は現時点でどちらの陣営を支持するかについて明言していない。ホワイトハウスによると、トランプ氏は両陣営に敬意を払いつつも買収の最終決定には関与する意向で、市場の多様性についても懸念しているという。

原題:Trump Slams Paramount Over CBS as Warner Battle Intensifies (1)(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2025 Bloomberg L.P.