(ブルームバーグ):「中国のエヌビディア」と称される人工知能(AI)半導体メーカー、沐曦集成電路(メタX)の株価が17日、上場初日の取引で一時643%急騰した。今月上旬には、同業の摩爾線程智能科技(ムーア・スレッズ・テクノロジー)も目覚ましいデビューを飾っていた。
メタXは新規株式公開(IPO)で5億8580万ドル(約910億円)相当を調達。個人投資家向けの応募倍率は2986倍に達した。IPOでの同倍率が2750倍だったムーアをさらに上回ったことになる。

ムーアと同様、メタXもAI開発者向けの画像処理半導体(GPU)を製造している。消費者や企業がAIサービスを採用する中で、同業界は急速に成長しており、注目を集めている。メタX株は、IPOの抽選で割り当てを得られなかった投資家を引き付けることになりそうだ。
米国はエヌビディアの最先端チップの対中輸出を阻止しており、投資家は同社に対抗し得る有力な競合企業として台頭する可能性があるナショナルチャンピオンに賭けている。
メタXのIPO価格は104.66元で、急騰後の時価総額は約3000億元(約6兆6000億円)に達した。これに対し、ムーアの現在の時価総額は3370億元。届け出によると、メタXの株価売上高倍率(PSR)は56.4倍にとどまっている。中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ)や米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの同業他社の平均は127.4倍だ。
錦銅投資基金のファンドマネジャー、許大偉氏は「ムーアやカンブリコンの時価総額を基準にすれば、メタXには10倍から12倍の上値余地があるかもしれない」と指摘。「メタXの上場はテクノロジー株高を主導し、新規およびセカンダリー上場を巡る熱気をさらに高める可能性もある」と述べた。
原題:China Chipmaker MetaX Jumps 643% After Wildly Oversubscribed IPO(抜粋)
(市場関係者のコメントなどを追加し更新します)
--取材協力:Dave Sebastian.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2025 Bloomberg L.P.