(ブルームバーグ):タイガー・マネジメント創業者の故ジュリアン・ロバートソン氏の弟子たちが手掛けるヘッジファンドは、2年連続で2桁のリターンを記録した。2022年の不振から引き続き回復している。
ハイテク株急伸を受け、ローン・パイン・キャピタルの昨年のパフォーマンスはプラス36%、タイガー・グローバル・マネジメントはプラス約24%となった。コーチュー・マネジメントの運用成績はプラス約19%。事情に詳しい複数の関係者が情報の非公開を理由に匿名を条件に明らかにした。
ハイテク株投資に注力しているこれら3ファンドが昨年9月末時点で最もポジションを積み上げていた銘柄はいずれもメタ・プラットフォームズで、同社の株価は24年に65%上昇した。昨年はエヌビディア、アップル、アマゾン・ドット・コム、メタのハイテク4銘柄を中心とした少数の銘柄がS&P500種株価指数の上昇率(23%)の大部分を占めた。
調査会社ピボタルパスの初期推定値に基づくと、株式に特化したヘッジファンドは昨年に11年間で最高のパフォーマンスを記録。ブルームバーグ集計データによれば、株式ヘッジファンドの昨年1-11月のパフォーマンスは平均でプラス14.7%と、ヘッジファンド戦略の中で最高となった。
ただ、人気のハイテク株にそれほど投資せずに好成績を挙げたファンドもある。コンツアー・アセット・マネジメントはショート(売り持ち)ポジションが奏功し、昨年に47.8%のリターンを挙げたと、投資家1人が匿名を条件に明らかにした。同ファンドはテクノロジー、メディア、通信セクターに重点を置いているが、昨年の大半はエヌビディアやアップルの株式を保有していなかったほか、アマゾン株の保有を縮小した。
デービッド・ローゼン氏率いるルーブリック・キャピタルの運用成績はプラス81.5%。ルーブリックの最大の保有銘柄(昨年9月末時点)である米タレン・エナジーの株価は、昨年に3倍強となった。データセンターからの電力需要増加による恩恵が見込まれる電力銘柄に投資家が殺到した。昨年9月末時点でルーブリックのタレン株の持ち分は約20億ドル(約3200億円)相当だった。
ダン・サンドハイム氏率いるD1キャピタル・パートナーズの株式ポートフォリオの運用成績はプラス44.6%だったと、関係者1人が明らかにした。ただ、これらが同社の運用資産210億ドルに占める割合は約40%にすぎず、残りはベンチャーキャピタル投資だ。
各ヘッジファンドの担当者はコメントを控えた。
原題:Tiger Cubs Score Second Year of Gains on Soaring Tech Stocks(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.