米ピーク6インベストメンツはグローバル本社をイリノイ州シカゴからテキサス州オースティンに変更すると発表した。金融企業がまた一社、シカゴでの事業を縮小する。

初期段階の企業からプロスポーツチームに至る幅広いポートフォリオを持つ同社は、従業員の大半が既にテキサス州で在勤しており、本社移転で経営陣と従業員の距離が縮まると説明。移転後もシカゴのオフィスは維持するという。

マット・ハルサイザー共同最高経営責任者(CEO)氏は27日の発表資料で、「テキサス州は10年余りにわたり、当社の成長の礎だった」と指摘した。

ここ数年、ケン・グリフィン氏のシタデルやキャタピラー、ボーイングなど複数の著名企業がシカゴ地域から本社を移している。

進歩派のジョンソン・シカゴ市長は2023年の就任以来、この流れを食い止める対策をほとんど講じておらず、寄付者やビジネスリーダーらは既に27年の市長選の対抗馬擁立に向けて動き出した。市の赤字予算が10億ドル(約1580億円)に迫る中、歳入拡大はなかなか進まず、富裕層への課税計画におびえる企業もいる。

一方、テキサス州は新型コロナウイルス禍が始まって以来、ブルーステート(民主党が優勢な州)からの相次ぐ企業移転の恩恵を受けている。法人税の低さやより緩やかな規制、おおむね良好な気候を求めて、シェブロンやイーロン・マスク氏のテスラなどの企業が同州に移ってきた。

ピーク6は移転の主な理由として、オースティンの教育水準の高い労働力、ビジネス環境、文化を挙げている。

原題:Chicago Loses Another Financial Firm as Peak6 Moves HQ to Austin(抜粋)

--取材協力:Isis Almeida.

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