(ブルームバーグ):化粧品小売りの米アルタ・ビューティは、これまで以上に若い顧客を獲得しようと、新たに魅力的なコレクションを展開している。それは「化粧品のレプリカ」だ。
アルタは最も人気のある同社製化粧品のミニチュアレプリカを無作為に入れた、中身が見えないプラスチック製カプセルを1個9.99ドル(約1550円)で販売している。偽物だが、本物そっくりだ。
キム・ロビンソンさんの娘スカイラちゃん(10)は、カプセルに入っていたレプリカで遊んだ後、今では本物の目元パック「カフェイン・エナジャイジング・ハイドロゲル・アイパッチ」を買いたいとねだっている。まさにそれが狙いだ。
この商品は、世界30カ所以上に拠点を擁する玩具メーカー、ズールーの人気商品「ミニブランズ」とのコラボレーションで生まれた。68種類のレプリカシリーズを用いたアルタの新たな手法は今のところ成功しているようだ。
直近の四半期決算では売上高と利益が予想を上回り、同社幹部がこれらの商品に言及。10月の発売開始以来、店舗では完売が相次ぎ、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」や「ユーチューブ」には、女の子たちが手に入れた商品を自慢する動画が溢(あふ)れている。
アルタの最高マーチャンダイジング責任者、モニカ・アルナウド氏は投資家向け説明会で、14歳未満の子どもたちが「(同商品に)夢中になっている」と熱弁を振るった。
子どもたちが本物の化粧品を買えるようになるまでには数年を要するが、子どものうちから囲い込めば生涯にわたって顧客となる可能性があり、化粧品業界にとって魅力的なターゲット層となる。
NIQのデータによると、6-12歳の子どもがいる世帯がフェイシャルスキンケアに費やした金額は2023年で24億ドル(約3760億円)と前の年から27%増加している。

原題:Kids Are Getting Hooked on Makeup With Ulta’s Mystery Ball Toys(抜粋)
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