新規登録価格が急上昇 東京では高価格帯マンションの売れ行きが鈍化

成約価格が一進一退の動きとなる一方、新規登録価格は4,674万円(前年同月比+12.9%)と大きく上昇し、成約価格との差が縮小している。コロナ禍以降、成約価格は新規登録価格を一貫して上回って推移し、両者のかい離率は2024年4月に+19.6%まで拡大したが、10月は+0.8%、11月は+7.4%となった(図表2)。なかでも、これまで成約価格の上昇を牽引してきた東京では、8月と10月に新規登録価格と成約価格が逆転し、11月のかい離率は+2.2%となった(図表3)。今後の金利上昇リスクが意識されるなか、売主サイドの強気の価格設定に対して、買主は物件価値を見極めるべくやや慎重姿勢を強めている可能性もありそうだ。

また、成約件数と新規登録件数から求めた新規成約率4の推移をみると、東京都では回復基調にあった高価格帯マンションの売れ行きがやや鈍化している(図表4)。2024年第3四半期(7-9月)の新規成約率は、「7,000万円以上1億円未満」が30%(前期比▲4.4%)、「1億円以上」が22%(同▲3.5%)に低下した(図表4)。新規登録物件の平均築年数が約30年に上昇し、成約物件の築年数(25年)とのミスマッチも見られるなか(図表5)、購入希望者が売主の価格設定に追随するか、今後の動向を注視したい。