中国人民銀行(中央銀行)は、最近導入した政策ツールを通じて銀行システムへの資金注入を拡大した。地方政府の債券発行が急増しており、流動性を潤沢に供給する狙いがある。

人民銀は11月に「アウトライト・リバースレポ」、8000億元(約16兆6000億円)相当を実施したと29日に発表。10月は5000億元だった。期間は3カ月で、銀行システム内の「合理的に十分な」流動性を維持する目的だと説明した。

また、同日の別の発表文によると、人民銀は11月に公開市場操作を通じて国債2000億元を買い越した。同じく潤沢な資金供給を確保する狙いだったとしている。

中国当局は、地方政府が簿外債務に対処するために起債を増やすことを認める1兆4000億ドル(約210兆円)規模のプログラムを開始。市場ではその後に資金調達圧力が高まっており、今回の資金注入でそれを和らげる取り組みを強化する。

こうした証券に対する主要投資家である銀行は、増発される債券を吸収しながら個人や企業への融資を続けるために、より多くの資金が必要になっている。

 

原題:PBOC Injects $111 Billion of Liquidity as Bond Supply Surges (2)(抜粋)

--取材協力:Shulun Huang、Alan Wong.

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