J -REIT(不動産投信)市場
2024年第1四半期の東証REIT指数は3月末比▲4.0%下落した[図表9]。

引き続き、金利上昇への警戒感が強いなか、需給面ではMSCI指数の銘柄入れ替え(5月末)に絡んだ海外投資家の売り圧力やREIT公募投信(上場ETFを除く)からの資金流出など需給環境が悪化し、上期末にかけて弱含みで推移した。
J-REITによる第2四半期の物件取得額は2,381億円(前年同期比▲0.7%)、 上期累計(1-6月)では7,473億円(同+23%)となった。アセットタイプ別では、オフィスビル(30%)・住宅(27%)・物流施設(21%)・ホテル(10%)・商業施設(6%)・底地ほか(6%)となり、住宅は昨年1年間の取得実績を既に上回っている。
市場規模を確認すると、上場銘柄数は58社で昨年末から変わらず、市場時価総額は14.8兆円(昨年末比▲4%)、運用資産額(取得額ベース)は23.1兆円(同+1%)となった。また、業績面では、市場全体の1口当たり予想分配金は昨年末比+4%増加、1口当たりNAVは+1%増加し、いずれも過去最高を更新した。一方、Jリートによる投資法人債の発行利率は24年上期平均で1.33%(23年平均0.81%)と大幅に上昇している。今後は借入コスト上昇に伴う分配金への影響に留意する必要がありそうだ。
(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 准主任研究員 渡邊布味子)