(ブルームバーグ):米国最大の暗号資産(仮想通貨)交換業者であるコインベース・グローバルは17日、予測市場と株取引への参入を発表した。米国内の顧客向けに今後数週間以内に順次展開していく。
最高経営責任者(CEO)のブライアン・アームストロング氏は、「コインベースはもはや暗号資産だけでなく、あらゆる資産を取引するのに最適な場所になった」と、発表イベントで語った。
これは同社が多様な資産や市場へのアクセスを提供する「万能アプリ」の提供を目指す戦略の一環で、同様に多角化を進める競合他社に対抗する狙いもある。発表によれば、ユーザーは米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」での株取引が可能になる。
ドイツ銀行リサーチのアナリストはリポートで、「この戦略により、コインベースは個人・機関投資家の両市場で潜在的な顧客層を大きく拡大し、製品・サービスの多様化を図ると同時に、小口暗号資産取引における将来的な価格競争圧力の緩和にもつながる」と述べた。また、同社の成長は予測市場のような新サービスの展開にもかかっているとした。
予測市場の参入には、同市場のプラットフォームを運営するフィンテック企業の米カルシと提携した。予測市場とは、スポーツの試合や選挙などの結果に賭けることができる仕組みで、ここ1年で急速に人気が高まった。米ロビンフッド・マーケッツは今年初め、カルシの予測市場を利用した金融商品を導入した。
このほかコインベースは、機関投資家向けにいくつかのサービスを発表した。たとえば、USDCと他の米ドル連動型ステーブルコインを組み合わせた裏付け資産により、企業が自社ブランドのステーブルコインを発行できるようにする。また、企業が自社株などの資産をトークン化できるサービスも含まれる。
原題:Coinbase Announces Entry Into Prediction Markets, Stocks (2)(抜粋)
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