(ブルームバーグ):トランプ米大統領の看板政策の一つに資金を拠出する企業や富裕層に、ヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエーツを創業したレイ・ダリオ氏と投資運用会社ブラックロックが加わった。
ダリオ氏は17日、自身の財団がコネティカット州の子どもたちを支援する約30万人分の「トランプ口座」に250ドル(約3万9000円)ずつを寄付すると明らかにした。ブラックロックも、従業員の子どもを対象に連邦政府の拠出分に上乗せし、口座に各1000ドルを提供すると発表した。
今年成立した大型減税・歳出法に盛り込まれたトランプ口座は、2025年1月1日-28年12月31日に生まれた子どもに連邦資金1000ドルを供与する制度。
この口座は、類似の貯蓄制度に比べ税優遇が少ないものの、親が雇用主や政府、慈善家からの追加拠出を受け取ることができる。口座は、米企業を「主に」対象とする低コストのインデックスファンドで運用しなければならず、子どもが18歳になる年まで引き出しが制限される。
早期引き出しにはペナルティーが適用されるが、教育費や初めての住宅購入など特定用途に資金を充てる場合は例外が認められる。親は来年7月4日より前に拠出することはできない。年間拠出額の上限は5000ドルだが、非営利団体からの追加寄付は上限の対象外となる。
ベッセント財務長官は17日、トランプ口座の詳細を示すウェブサイトを公開した。そこには、ブロックやマスターカード、ビザ、ウーバー・テクノロジーズ、チャーター・コミュニケーションズが「寛大な支援」を提供する企業として記載されていたが、各社の具体的な関与内容は明らかにされていない。
ビザはSNS投稿で、従業員向け福利厚生の一環としてトランプ口座を利用する予定だと説明したが、詳細は示さなかった。
チャーターは従業員口座に対し連邦政府の拠出分と同額を提供すると7月に発表。ウーバーとブロックは広報担当者を通じて、プログラム参加を確認したが、具体的な説明は避けた。マスターカードはコメントを控えた。
企業や富裕層からの支援が相次ぐ背景には、トランプ氏が大統領としてのレガシーの一部と位置付けるこのプログラムに参加することで、企業や経営者として同氏支持をアピールしようとする姿勢がある。
米コンピューター大手、デル・テクノロジーズを創業したマイケル・デル最高経営責任者(CEO)とスーザン夫人は今月、米国の子ども2500万人それぞれに250ドルを提供し、トランプ口座を後押しするとホワイトハウスのイベントで発表した。
デル夫妻は総額62億5000万ドルを財務省に寄付。この資金は、1000ドルの連邦資金拠出の対象外となる年長の子どもたちの口座に充てられる。
ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、ブリッジウォーター創業者のダリオ氏は、195億ドルの資産を保有しているもよう。最近の提出書類によると、同氏の財団および別の運用主体であるダリオ・ファミリー・ファンドは、年初時点で計57億ドルの資産を保持していた。
原題:Dalio, BlackRock Join Donor List for ‘Trump Account’ Program (1)(抜粋)
(最終段落を追加して更新します。更新前に2段目で「約30万人分」に訂正済みです)
--取材協力:Ben Steverman、Natalie Lung、Kelcee Griffis、Paige Smith、Emily Mason.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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