(ブルームバーグ):暗号資産(仮想通貨)の擁護派は米大統領・議会選に多額の資金を投じ、大きな成果を得た。トランプ前大統領ら業界に友好的な政治家の当選だ。
かつて暗号資産に懐疑的だったトランプ氏は、米国をビットコインの超大国にすると公約し、共和党候補者への数千万ドルの支援を業界から得た。
今夏の選挙戦では、米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長を解任し、米国でのビットコインのマイニング(採掘)に万全を期すなどと約束していた。
トランプ氏が勝利に向けて突き進む中、ビットコインは6日、最高値を更新。イーサやユニスワップなども値上がりした。
コインベース・グローバルやウィンクルボス兄弟、リップル・ラボなど、セクターの大手企業や起業家の一部は今回の選挙戦にかつてないほど多くの資金を投入。
暗号資産を推進する政治活動特別委員会(スーパーPAC)のフェアシェイクは1億8000万ドル(約277億円)余りを投じ、業界を支援する候補者が上下院で議席を確保できるようサポートした。
暗号資産交換のジェミニ・トラストを創業したウィンクルボス兄弟の一人、タイラー・ウィンクルボス氏は6日、「われわれは新たな米国のルネサンスを目前にしている」とX(旧ツイッター)に投稿した。
他の暗号資産支持者や関連企業経営陣の反応は以下の通り。
スワーム・マーケッツの共同創業者ティモ・リーズ氏:
暗号資産市場は、ハリス副大統領よりもトランプ氏の方がこの分野にずっと好意的とみている。バイデン政権のこの4年間を振り返れば、暗号資産が民主党にどのように扱われてきたか、知るべきことは全て分かる
ニッケル・デジタルのアナトリー・クラチロフCEO:
ビットコイン急伸は、次期大統領とそのテクノクラートチームによる建設的な暗号資産政策に対する市場の期待を反映したものだ。この変化は、強制による規制の終わりを意味し、米国がデジタル資産分野におけるグローバルリーダーとしての地位を確立する新たな機会を生み出すだろう
オーディナルズボットの共同創業者トビー・ルイス氏:
トランプ氏の勝利を暗号資産市場は待ち望んでいた。ビットコインをスタンダードにするという計画、ゲンスラー氏を解任するという明確な意思、暗号資産全般への優遇策により、暗号資産にとってより良好な環境が米国で整うはずだ
原題:‘A New American Renaissance:’ Crypto Celebrates Trump’s Return(抜粋)
--取材協力:Sidhartha Shukla.
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