米製薬大手イーライリリーは30日、ヒット商品となった肥満症治療薬の販売が予想を下回ったことを受け、2024年通期の業績見通しを下方修正した。同社は在庫問題が原因としている。

インディアナ州インディアナポリスに本社を置くリリーは、通期の売上高予想を454億-460億ドル(約6兆9600億ー7兆500億円)とし、従来見通しの上限である466億ドルより下げた。同社は今年、通期業績見通しを2度上方修正していた。

リリー株は、30日のニューヨーク株式市場で一時14.9%下落した。

発表によると、肥満症治療薬「ゼップバウンド」の7-9月期(第3四半期)の売上高は12億6000万ドルで、アナリストの平均予想16億3000万ドルを下回った。全製品の売上高はも114億ドルと、アナリストの平均予想122億ドルには届かなかった。

ゼップバウンドと糖尿病治療薬「マンジャロ」の卸売り在庫が前四半期に多かったことが、当期の売上高が伸び悩んだ一因となったとリリーは説明した。

肥満は製薬業界で特に規模が大きく成長の速い市場で、アナリストは2030年までに1300億ドルに達すると予測している。リリーは同分野で成功を収め、世界で最も時価総額の高い製薬会社となった。

リリーは糖尿病治療薬「オゼンピック」や肥満症治療薬「ウゴービ」で知られるデンマークのノボ・ノルディスクと競合している。市場拡大に失速の兆候はなく、両社とも供給に苦労しており、製造能力を高めようと数十億ドルを投資している。

リリーの第3四半期決算では、調整後の1株当たり利益が1.18ドルで、アナリスト予想の1.51ドルを下回った。

原題:Lilly Cuts Guidance on Disappointing Weight-Loss Drug Sales (1)(抜粋)

--取材協力:Antonia Mufarech.

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