子どもは自分で止められない…「死が見えかけるところまで頑張らせないで」

ーーその後、今さんから『学校頑張るのやめよっか』ともっちんに伝えるんですね。

「付き添い登校を必死にやってたんですけど、私にうつの診断が出たんです。それで、その日に「もう休もう」って声をかけました。

自分が先でよかったと思いました。自分にうつの診断がでたから、もっちんが本格的に壊れる前に学校に行かせることを止められたと思います。誰かが止めてくれないと自分を止められなかったから、子どもは尚更だって思います。多分もっちんは私が止めない限りは、状態が悪くても走り続けたと思います」

ーー止まってみて、どうでしたか?

「人間が変わったぐらい、考え方も、生き方も変わりました。

世間がどう思うかより、私はもっちんのことがめちゃくちゃ好きだから、もっちんとの関係があれば別にいいやって思えるようになったんです。

それまでは、学校に行きたくないなんて、どうしたのって思ってたんです。でも、自分がそう見てただけなんだって。自分にとって都合が悪いところを問題として見ていて、もっちんは何も悪くなかったんですよね。もう過去の自分をグーパンです」

ーー自分が限界にいたって、やっとわかるものなんですね。

「大体の親が、子どもが死が見えかけるところまでは頑張らせちゃうので、それがすごく良くないといまはわかります。もっと早い段階で、他にも選択肢があるってことを大人が知っておくことが必要だと思います」

今さんは、自分が病気になって立ち止まることができた。そして、母親の変化は、もっちんの変化に繋がっていった。