小・中学校で不登校の児童生徒は9年連続で増加している。特に夏休み明けに不登校になる子どもは増加する。エッセイ漫画家の今じんこさんは、自身の経験をもとにマンガで不登校のリアルを発信している。新学期に向け不安を感じている子どもたちに、親ができることとは何なのか、聞いた。
突然の「学校行かない宣言」当事者になってわかった苦しみ
もし子どもに「学校、行きたくない」と言われたら、皆さんはどう対応するだろうか?いまは多様な学びがあるし、子どもの気持ちを尊重しようと感じるかもしれない。しかし、それが現実になると、思っていた対応ができないことも多いという。

エッセイ漫画家の今じんこさんの長男、もっちんは小学1年で不登校になった。いざ当事者になってみると、悩み、苦しみは壮絶だったという。
想像と現実は違う…。当事者だからみえた不登校のリアルを広く知ってもらいたいと、今さんは自身の経験をマンガで描き、コミックエッセイ『学校に行かない君が教えてくれたこと』(発行:オーバーラップ)を今年4月に上梓した。
当事者として不登校に向き合うとはどのような経験だったのだろうか。
ーー小学校に入学してひと月、5月に息子さんから「明日学校行かない」と言われたそうですね。
「最初はそんなに深刻に受け止めていなかったんです。行かなくていいと思ってるのかな、まだ保育園から上がったばっかりで、わかってないのかな、って思いました」
ーーその後、学校への拒否反応がより強くなります。マンガでは『学校嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、行ぎだくないっ!!』と泣く様子が描かれています。
「無理に連れてこうともしたけど、この子の気持ちを無視して連れていくことで、私の心もしんどくなって、でも行ってほしいし、子どもも尊重したい。自分の心がぐちゃぐちゃになっていきました」

ここから、今さんの七転八倒の日々が始まった。