23日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=156円台後半に上昇。およそ1週間後に迫った日米の金融政策決定に焦点が移りつつある中、円売り持ち高を縮小する動きが優勢で、円は主要10通貨に対して全面高となっている。

  外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、低金利の円を売って高金利のドルを買う「円キャリーの巻き戻しによる円買いが出やすいのが今の市場環境だ」と指摘。日本銀行金融政策決定会合での追加利上げ観測がくすぶり、米連邦公開市場委員会(FOMC)で9月利下げに向けたヒントが示される可能性が意識され、「金融政策の方向性の違いから直前まではドル安・円高方向に動きやすい」とみる。

  

  神田氏はまた、ドル・円相場が年初来の上昇トレンドラインを回復できず、テクニカル的にも円買い戻しが出やすくなっていると言う。加えて、トランプ前大統領の円安けん制や金融政策正常化を求める日本の政治家の発言も円の買い戻しを促していると話した。

  23日の東京市場では日銀が基調的なインフレ率を補足するための指標を発表する予定。来週の日銀会合を控えて、市場の注目が集まりそうだ。

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