22日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=157円台半ばで推移。バイデン米大統領の大統領選撤退の相場への影響が注視されている。輸入企業など実需のドル買いが円の重しとなる一方、これまで積み上がった円売りポジションを巻き戻す動きが警戒されている。

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  東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、バイデン氏の撤退は織り込み済みで直接的な影響は小さいとみる一方、「トランプ氏が優位とも限らず、民主党の副大統領候補も含めて今後の展開を見ないと消化できない」と指摘。仮にトランプ氏が優勢となれば「リフレ的な政策姿勢からドル高方向」との見方を示した。

  

  週明けの為替市場では、バイデン氏撤退を受けてトランプトレードを巻き戻す動きが一部に出て、ドルがやや軟調になる場面も見られた。野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは「トランプ候補勝利時の初動がドル高となりやすいことが再び示唆されたと言える」とし、バイデン氏撤退後の世論調査の変化に注意が必要とみる。

  東京市場では前週に続き実需のドル買い・円売りが見られた一方、米国株のボラティリティー指数の上昇が続き、日米株安を受けて低金利の円を売って高金利通貨を買う円キャリー取引の解消が引き続き警戒される。大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、30、31日の日本銀行の金融政策決定会合に向けて「神経質な状況が続く」とし、「円売りポジションをいったん閉じる動きが優勢になりそう」とみている。  

  米商品先物取引委員会(CFTC)が公表した非商業部門の円の売り越し幅は16日時点で15万1072枚と、9日時点の18万2033枚から約3万枚の大幅縮小となった。

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