22日の債券相場は小幅安に転じている。中期債対象の流動性供給入札が弱めの結果となり、売りが優勢になった。米国のバイデン大統領が大統領選から撤退すると表明したことで、インフレや財政拡大による米長期金利上昇を狙ったトランプトレードが巻き戻されるとの観測は相場の支えとなっている。

  りそなアセットマネジメントの藤原貴志債券運用部長兼チーフファンドマネジャーは、入札は事前予想に比べ弱めだったとし「残存4年前後の国債への需要がそれほど強くなかった。来週に日銀会合を控えてカバーする必要がないと判断したのではないか」と述べた。一方、バイデン氏撤退の影響は、織り込むには早過ぎるがトランプ氏優位が「やや落ちているのでその影響はある」とみる。

  バイデン米大統領は21日、大統領選から撤退するとした上で、ハリス副大統領を民主党の大統領候補として支持することを明らかにした。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、米長期金利はトランプ氏返り咲きの話でインフレや財政悪化を7-8割織り込まざるを得なかったが、同氏勝利の確率が「五分五分になるとすればその分が修正される」と指摘。いったん仕切り直しで、新たな民主党候補者とトランプ氏との大統領選に関する「米世論調査の結果を1回は見たい」と話す。

  流動性供給入札(残存期間1年超5年以下)の結果によると、最大利回り格差がマイナス0.008%、平均利回り格差はマイナス0.012%。応札倍率は3.26倍と前回同ゾーンの入札があった5月2日(3.6倍)から低下した。  

日本債券:流動性供給の過去の入札結果(表)

  

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