中国の旧正月となる春節を迎えた先月、インバウンド消費などを背景に百貨店や外食業界が好調でした。ただ、今後の見通しは、「為替」にも左右されそうです。

日本フードサービス協会によると、先月の外食全体の売上げ高は、前の年の同じ月と比べて11.4%増加。インバウンド需要で単価の高いメニューが多く注文され、客単価が上昇しました。

「インバウンド消費」が好調な業界は他にも。

日本百貨店協会 担当者
「春節商戦で活況でした。インバウンドと高付加価値商材が引き続き牽引」

きょう、日本百貨店協会は、先月の全国の百貨店売上げ高を発表。前の年の同じ月と比べて14%増加し、およそ4329億円となりました。

背景には、円安で訪日外国人客がコロナ以降最多となり、特に中国の旧正月・春節によりインバウンド消費が469億円と、過去2番目に高い売り上げとなったことがあげられました。

今後も「インバウンド消費」は上向きとなるのか。カギを握るのは、「為替」です。

先週、日銀はマイナス金利を解除しましたが、追加の利上げを急がない方針を示したことで、現在、1ドル=151円台の「円安水準」が続いています。

日本百貨店協会の担当者は…

日本百貨店協会 担当者
「円高方向に行くんではないかと予測していたが、いまのところ逆に円安方向に振れて介入があるかどうかという状況で」

円相場について「しばらくは大きな変動はない」と見通しつつも、今後の百貨店の売り上げについて懸念も示しました。

日本百貨店協会 担当者
「インバウンドの消費額の伸びは明らかに円安が強いフォローをしているので、今後どこかの時点で追加利上げから円高に大きく振れていけば、それなりの影響が出てくる」

いま好調な「インバウンド消費」を下支えしている「円安」。

日本百貨店協会は、円高に進んだとしても、今後はリピーター客を増やして顧客の囲い込みを図るなど対策を打っていく必要があるとしています。