アメリカのトランプ大統領はロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、「ウクライナは戦闘開始時点の国境の回復が可能だ」との考えを表明しました。

アメリカ トランプ大統領
「私は本当に思っているんだ。ウクライナに国土を取り戻させよう」

トランプ大統領は23日、SNSに「ヨーロッパ、特にNATO=北大西洋条約機構の財政的支援があれば、ウクライナは戦闘が始まった時点の国境線の回復が十分に可能だ」と投稿しました。

トランプ氏はこれまで和平合意に向けて、ウクライナはロシアが占領する東部・ドンバス地方を割譲せざるを得ないとの認識を示していて、大きな方針転換となります。さらに、トランプ氏はロシアの戦闘機や無人機がNATO加盟国の領空に侵入した場合、撃墜することを支持する考えを示しました。

アメリカ トランプ大統領
「(Q.ロシアの戦闘機が領空に侵入した場合、NATO加盟国は撃墜すべきか)そう思う」

そのうえで、ウクライナを支援するためNATOへの武器供与を続けると表明しています。

また、この日、国連総会に合わせ、トランプ氏はウクライナのゼレンスキー大統領と会談。ゼレンスキー氏は「建設的で有意義だった」と評価し、停滞する和平交渉を念頭に、トランプ氏が「ゲームチェンジャーとなり得る」と期待感を示しました。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「トランプ氏との関係は以前より良くなったと思う」

この日「FOXニュース」の番組に出演したゼレンスキー氏は、トランプ氏の発言に「少し驚いた」としたうえで、「アメリカが戦争終結までウクライナを支援するという非常に前向きなシグナルだ」との認識を示しました。