(ブルームバーグ):トランプ米政権は、リチウム開発を手がけるカナダの資源会社リチウム・アメリカズの株式持ち分取得を目指している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。政権は米エネルギー省の同社向け融資23億ドル(約3400億円)の条件見直し交渉を進めている。
ロイター通信は23日、米政権がリチウム・アメリカズの株式最大10%の取得を検討していると報じていた。同社はネバダ州で国内最大級のリチウム鉱床を有するタッカーパス鉱山を開発中。米株式市場引け後の時間外取引で、株価は一時、約2倍に上昇した。
トランプ政権は重要鉱物の国内調達加速に向け米経済への関与を強めており、今回の計画はその取り組みの一環となる。現在、国内ではリチウムはほとんど生産されておらず、タッカーパス鉱山は主要なリチウム供給源になると期待されている。
関係者の1人によると、リチウム・アメリカズが当初の融資条件を満たせなかったことから、同社と、同鉱山に38%出資する米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)がエネルギー省にローン再編を要請。これを受け、政権は納税者保護のため、外部からの追加出資を含めた条件変更を求めたという。
この関係者が匿名で明らかにしたところでは、リチウム・アメリカズとエネルギー省は、一部返済繰り延べを含む条件変更で合意した。GMとの協議は続いているという。
関係者の1人によれば、当局が持ち分取得を提案後、リチウム・アメリカズは無償新株予約権(ワラント)の付与を通じた5-10%の提供案を示した。同社は現在、政権の回答を待っており、合意に至らなければプロジェクトは棚上げされる可能性がある。
ブルームバーグは先に、エネルギー省が融資交渉の一環として、生産されるリチウムの引き取りを義務づける契約締結をGMに求めていると報じていた。GMはコメントを控えた。
原題:Trump Administration Is Said to Seek Stake in Lithium Americas(抜粋)
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