外部との関わりを持つ位置づけだから…

この養護老人ホームは入所者の半数が認知症で5年間で4回、施設から行方不明になるケースがあったといいます。

吉澤施設長:「施設を抜け出される方はいろんなパターンがあるんですよ。例えば入所している中で自分のことを職員に見ていてほしい、かまってほしい。それ以外にもこの施設を本当に出て行ってしまおうということじゃなくて、元の家に行ってみたいな。そんな形で出られて結局戻ってこられなくなった。あるいは戻って来る前にこちらの方で探して捜索をはじめて、見つけて保護するというような方もおられます」

養護老人ホームは高齢者の自立を支援し、社会復帰を目指すことが前提で、行方不明を防ぐための対策にも限界があるといいます。

吉澤施設長:「どちらの施設も周りを塀で囲んでいる施設はまずないと思うんですよ。(養護老人ホームは)社会復帰を目指す施設ということで、外部との関わりがとれるように考えている位置づけのものですので、そういった位置づけから、なかなか『施設の中で生活してください』というのは無理がある」

先月15日。また高齢者施設で行方不明の情報がありました。富山市の住宅型有料老人ホームから87歳の男性が行方不明に…。

施設に行ってみると…

記者:「“高齢者の行方不明を防ぐ”という取材をしていまして…」

何があったのか、職員に話を聞きました。男性は職員専用の洗濯室から外に出たと見られるそうです。