2018年6月26日午後2時過ぎ、富山市の奥田交番。元自衛官の島津慧大被告(当時21)が裏口から押し入り、稲泉健一警部補(当時46)を刃物で殺して拳銃を強奪。その後、近くの奥田小学校前で警備員の中村信一さん(当時68)が射殺された事件。今年10月から始まるやり直しの裁判員裁判(差し戻し審)を前に、これまでの公判記録を振り返る連載の第3回。今回は、法廷で明かされた襲撃の生々しい瞬間と、残された相談員の悲痛な証言に迫ります。

2人きりの交番を襲った「ドドドーンという異音」と戦術的計算
第2回公判では、襲撃発生時に交番内にいた交番相談員(元警察官)がリモートで証人尋問に立ち、当時の生々しい状況を語りました。
事件当日午後、若い警察官が外出したため交番内は稲泉警部補と相談員の2人きりでした。午後2時過ぎ、相談員は正面入り口近くの机に座り、稲泉警部補は別室(相談室)で書類仕事をしていました。そこへ突然、異変が起きます。

検察官:「最初に覚えていることは?」
相談員:「裏の勝手口で『ドドドーン』という大きな音が聞こえました。今まで聞き慣れない、金属のようなものでドアを叩く音だったと思う」

聞き慣れない異常な音に、別室にいた稲泉警部補も出てきて、二人は顔を見合わせました。普段、警察官以外は使用しない裏口。稲泉警部補が様子を確認するため勝手口のドアを開くと、そこには右手でナイフを突き上げるように構えた、見知らぬ若い男(島津被告)が立っていました。







