能登半島地震で歪んだ床、崩れた壁。古民家に「新たな命」を吹き込む
しかし、建物には能登半島地震の爪痕も残る。

ひび割れた壁、きしむ床。廊下を歩くと、地震で上下左右に動いた床の凹凸が感じられる箇所もある。

「1階の食堂を予定している部屋では、能登半島地震の影響で、液状化ではないけれど床下の地盤が柔らかくなって凹んでいる箇所があります」
安全を考慮したリフォームが必要だが、傷んだ古民家を一つずつ直して再生させる。それが結果的に、氷見の街に新しい人の流れを生むことに繋がればと考えている。震災という困難はあったが、彼は前を向き、一歩ずつ改修を進めている。
運営は地域との「チームプレー」。練習後の温泉と地元の味を合宿の目玉へ
お風呂も課題の一つだ。30人規模の合宿で家庭用のお風呂1つでは到底足りない。しかし、庄司選手は制約をむしろ逆手に取った。

「合宿が終わったあとに地元の大きい温泉に入るのも、この合宿の魅力かなって思います」

建物から車で5分の道の駅・番屋街に隣接する「氷見温泉郷 総湯」という温泉施設と連携し、練習後は、そこで疲れを癒してから帰ってくる流れを作るという。ないものをどうするかではなく、ないものを魅力に変える発想だ。
食事も同様だ。約30人分の料理を一人で作り続けることを考えたとき、元チームメイトでもある森康陽コーチの提案で地元の仕出し屋「かなば」(高岡市)に依頼するアイデアが浮かんだ。富山ならではの食材を使った栄養満点の料理を、地域のつながりで提供する仕組みだ。
クラウドファンディングで地域を巻き込む
「自分一人で作るんじゃなくて、皆さんと一緒にこの場所を作り上げたい。3月20日にクラウドファンディングを始めました」
融資にも限界がある中で、庄司選手はクラウドファンディングを立ち上げた。改修費用の調達だけが目的ではない。「こういうことをします」という周知も兼ねて、地域を巻き込む試みだ。
リターンには氷見ならではの昆布締めの詰め合わせ、氷見豚のソーセージやベーコンの詰め合わせ、オリジナルTシャツ、民泊庄司オリジナルタオルなどが用意されている。すべて地元の事業者との連携から生まれたラインナップだ。










