北陸電力が管理する石川県の志賀原子力発電所。事故が発生した際に屋内退避が必要な30キロ圏内には富山県氷見市の約3分の2が含まれています。万が一に備えようと、氷見市内で住民が参加しての防災訓練が行われました。

3連休最終日の氷見市上庄地区。
朝から大勢の人々が向かうのは、小学校の体育館です。

そのわけは原子力事故を想定した防災訓練。
富山県と石川県が毎年合同で実施しているもので、訓練では石川県志賀町で震度7の地震が発生し、志賀原発から放射性物質が外に漏れ出したという想定で行われました。

訓練内の呼びかけ
「原子力緊急事態宣言が発出されました。皆さんで協力して体育館の窓や扉を閉めてください」


原発から30キロ圏内にある上庄小学校の体育館。
住民には内部被ばくを低減する「安定ヨウ素剤」に見立てたラムネが配られました。


その後、30キロ圏外の氷見運動公園へ移動しました。
岩木秋河記者
「避難してきた車両に汚染がないか確認する検査が行われています」

検査で人や車両に放射性物質が確認されたときは、タオルで拭き取り簡単な除染を行います。


住民
「拭きなさいというのがちょっと難しい」
「こんなにねんごろにせんならんがかなと思って。ねんごろな分だけ安心度もある」


県によりますと、この日の訓練には氷見市内や石川県から住民約360人が参加したということです。

訓練を視察した新田知事は――
富山県 新田八朗知事
「自然災害も頻発化、激甚化しているわけですから、それが原子力発電所に影響を与えることも十分ありうる。安全をしっかり確保しながら活用していく設備なんだと改めてそういうことを確認する場でもある」


原子力発電所を巡っては21日、新潟県の花角英世知事が柏崎刈羽原発の再稼働を容認する意向を示しました。これについて新田知事は、24日の取材で「丁寧に住民の意見を聞いて重い決断をされた」とコメントしています。







