シロエビの不漁だけではない異変

富山湾の異変はほかにも――
海の掃除屋ともいわれる体長1センチ前後のヨコエビが去年夏に大量発生しました。
近年では、1匹10万円超の高値がつくほどのブランド魚として人気の「万葉カレイ」もヨコエビにかかれば身が食べられ、骨だけの状態になってしまいます。
刺し網漁師 東海勝久さん
「今年に限ってはもうスタートからとれない。来年も再来年も今のような水揚げが乏しいという状況が続くようだとこのブランド自身が消えてしまう」
万葉カレイを狙う刺し網の漁場も地すべりが起きた庄川と小矢部川の河口近くにありました。
海底地すべりが起きた周辺でのヨコエビの大量発生について専門家は――

広島大学 富川光 教授
「海底地すべりが起こることによって海の中の生き物はかなり数を減らしてる可能性があると思う。そういった生き物はおそらくヨコエビの競争相手として存在してたと思うが、海底の土砂崩れが起こることによって、もしこのヨコエビの競争相手が排除された形になってしまうと、そういった荒地のようなところに、真っ先に入って来られるのがヨコエビなので、急激にヨコエビが数を増やすということはありえる話かなと」