犯行の道具を100円ショップで

秋田県出身で、事件当時リフォーム業に従事していた佐藤被告。修さん宅に多額の現金があることは、2023年6月にリフォーム工事に入った際に知ったという。その後、2024年2月15日には、階段工事のため一人で修さん宅を訪れていた。

その翌日に佐藤被告は犯行に使用した道具を100円ショップで購入し、修さんの住宅近辺を徘徊していた。事件前日の2月20日にも周辺を徘徊していたことが確認されている。事件当日2月21日は仕事がなく、午前中から周辺を徘徊していたという。

犯行現場となった被害者宅

修さん宅の駐車場に車がないことを確認し、呼び鈴を押しても人が出てこなかったため、鍵がかかっていなかったドアを開け侵入した。しかし、玄関には修さんが立っていた。鉢合わせた二人は取っ組み合いになり、被告はその過程で両者とも気を失ったと主張している。修さんは佐藤被告の暴行により死亡した。一方、意識を取り戻した佐藤被告は現金約1400万円を強奪。うち300万円を使用し、残りの一部は、事件について伏せながら家族に渡していたとされる。裁判の争点について検察側は、1.犯行の悪質性、2.犯行の計画性、3.結果の重大性、4.意思決定に対する非難性、の4点を挙げた。弁護側は起訴内容を認めながらも、被告は盗んだ金額の大半を遺族に返済していて、反省の意思と更生の可能性があると擁護。量刑については争う構えを見せた。